障害福祉サービスほうゆうから広がるコミュニティと「よろこぶせんべい」の挑戦

話題

障害福祉サービスほうゆうが築くコミュニティ

今回は、仙台市泉区実沢にある障害福祉サービスほうゆうにお邪魔してきました。こちらは社会福祉法人幸生会さんが運営されている施設で、¹就労継続支援B型と²生活介護分の2つのサービスがあります。就労継続支援B型、生活介護、合わせて一日に約40名の方々が通所されているそうです。

*¹ 就労継続支援B型:障害のある方が、一般企業に就職することに対して不安があったり、就職することが困難な場合に雇用契約を結ばずに生産活動などの就労訓練を行うことができる事業所及びサービス。
*² 生活介護:障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの中の自立支援給付によるサービスの一つ。

ほうゆうの就労継続支援B型のお仕事は、農業班、せんべい班、清掃・リネン班の4つになります。 今回は「せんべい班」の皆さんを取材させて頂きました。

約10年前に始まった「せんべい班」。せんべい班の、発足当時の経緯についてもお話を伺いました。

2013年、それ以前に施行されていた「障害者自立支援法」が法改正により「障害者総合支援法」に変わりました。どちらも障害者の日常生活をサポートするという基本的な目的は変わりませんが、サービス体系の編成や利用手続きなどの内容に大きな変更がありました。

その中の一つに「就労支援の強化」があります。これまでとは異なり、働きたいと思っている障害者に対して、働く環境や場所を確保する支援が進められました。そのため、同施設では「就労継続支援B型」と「生活介護」の2つに分けて、ご利用者様への支援を開始しました。

そこで授産品を作るにあたり、宮城県内ではせんべいを作っている施設が他になかったことから、唯一無二の 授産品の製造を目指してせんべい班を発足したそうです。当初は2名のスタッフだけでしたが、現在は職員さんも含めて5名で、毎日手焼きせんべいを製造しています。

作業時間は1日4時間で、約230枚のせんべいを製造しているそうです。作業も細かく分担されており、せんべい生地をケースから出す、そのせんべいを網に乗せて焼く、味付け担当、袋詰め・ラベル担当等細かく作業が分担されています。

現場責任者の遠藤さんが「〇〇さん、この作業はもう終わったので、この台をピンクの布巾で拭いて下さい。」など一つ一つの指示が作業されている皆さんにわかりやすく、丁寧に出されていました。

働いている皆さんもその度に「はい!わかりました!」と元気よく応えてお仕事をスムーズにされていました。

海外進出を目指す「せんべい班」の挑戦

せんべいの味は全部で9種類。しょうゆ、味わいしょうゆ、青のり、ごま、ざらめ、梅ざらめ、七味、ごぼう、塩です。味付けは初代のスタッフさんが考えたり、他事業所さんからアドバイスを受けて色々な味を作っています。

作業をしている皆さんの人気No1は「梅ざらめ」だそうです。

せんべい班の責任者、遠藤さんに今後の展望や根白石地区の魅力等を伺いました。

Q:今後、せんべい班としての展望を教えてください。

A:現在、毎月第三土曜日に施設内で手焼きせんべいの販売をしていますが、それ以外にも、他事業所さんに他県(新潟県・名古屋市)で開催されるお祭りなどで販売してもらっています。今後はこの美味しいせんべいを海外で販売したいと考えています。

Q:「よろこぶせんべいシリーズ」の名前の由来を教えてください。

A:せんべいを作っている人も食べている人も、それを見た人にも喜んで頂きたいと思い、この名前にしました。実際に作っている私たちは皆さんに喜んで頂けるのが、とても幸せです。

自然豊かな泉西部地区

Q:遠藤さんが感じる泉西部地区の魅力は何ですか?

A:まず、景色がとても綺麗だと思います。そしてこの地区に住んでいる方々が暖かく、優しい方が多いと感じました。そして、根白石地区に代表されますが、この地区にある小学校・中学校では他地区にはない体験型授業(田植え等)をしているので、子どもたちの教育にとても良いと思いました。

ほうゆうが育む信頼と団結力

Q:以前は異業種のお仕事をしていると伺いました。慣れるまで大変だった点、苦労された点があれば教えてください。

A:今の仕事を始めて、今年で5年目になります。作業をされている皆さんは何かしらの障害があります。その方に合わせて作業内容について説明をするのが大変でした。

特に、衛生面について説明をするのが大変だったので、ジェスチャーを加えて理解して頂くまで説明しました。

例えば作業中、トイレに行きたくなった際は白衣を脱ぐ、白衣をちゃんと指定の場所に掛ける、靴を履き替える、戻ってきたら消毒するなどです。

自分が責任者として指示を出して動いてもらうことが初めてだったので、そういう面で始めは戸惑いもあり、余計に大変に感じました。

今は支援者と製造者の両立で大変なこともありますが、皆さん、とても頑張っていらっしゃるので私も励みになります。

今では皆さんとの信頼関係も築かれ、ワンチームになった感じです。せんべいを作ることで団結力も生まれ、達成感を感じています。

薄焼きせんべいなので、歯が弱い方でも美味しく召し上がれると思います。素朴な味で一度食べ始めると止まらない美味しさがあります。


ほうゆうの直売会の日時は以下の通りです。

日時:毎月第3土曜日  10:00~13:10(雨天決行)
場所:ほうゆう施設内(水泉荘となり) 仙台市泉区実沢字館後8-2
TEL 022-348-4531

おせんべいの他に通所されている皆さんで作られた野菜や近隣農家さんの野菜や漬物、クッキー・ラスク、手芸品なども取り扱っています。

気になる方はぜひ一度、足を運んでみてください!

障害福祉サービス事業所「ほうゆう」 | 社会福祉法人「幸生会」
施設運営方針(五つの喜び)について 働く場として、仕事を通じて社会に参加、貢献する視点で施設の運営に取り組みます。そして、施設運営の主体は利用者の皆様であり、その生活の支援が我々職員に与えられた使命で
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