仙台市が「朴沢文書」を市指定有形文化財に指定

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仙台市教育委員会は8月19日、泉区朴沢にゆかりのある「朴沢文書(ほおざわもんじょ)」を新たに市の指定有形文化財に決定しました。9月に告示が行われ、仙台市内では古文書として8件目の指定となります。

泉区ゆかりの古文書が文化財に指定されたことで、地域の歴史が改めて光を当てられました。鎌倉時代の御家人の支配の姿や、南北朝の動乱に揺れた地元領主の姿が読み取れる朴沢文書は、学術的にも重要な資料です。同時に、私たちが暮らす町が中世から続いてきたことを感じられる、身近な歴史の証しともいえますね。

「朴沢文書」とは?

この文書群は、鎌倉時代から戦国時代にかけての古文書12通に加え、昭和期に作成された写本や系図など計21点で構成されています。

もともとは、鎌倉時代に宮城郡山村(現・泉区朴沢や根白石、七北田など)に所領を持った大河戸(おおかわど)氏の一族・朴沢氏に伝わったもの。現在は東北大学が所蔵しています。

これらの史料からは、鎌倉御家人が仙台地域でどのように土地を支配していたか、南北朝の動乱期に地元領主がどのように振る舞っていたかといった歴史をうかがうことができます。仙台市域に残る中世の古文書は数少なく、非常に貴重な文化財とされています。

公開展示も実施

今回の指定を記念して、以下の展覧会で「朴沢文書」の公開が予定されています。

  • 展示会名
     「東北大学所蔵史料文化財指定記念展覧会 狩野文庫本『類聚三代格』と日本史研究室所蔵『朴沢文書』」
  • 会期
     9月29日(月)~10月5日(日)
  • 会場
     東北大学附属図書館 1階多目的室(青葉区川内27-1)
  • 主催
     東北大学大学院文学研究科日本史研究室、統合日本学センター、附属図書館
  • 後援
     東北史学会

仙台市の文化財指定の状況

今回を含め、仙台市の市指定文化財は合計119件。このうち古文書は8件となりました。泉区ゆかりの史料が市の文化財に加わったことで、地域の歴史を知る貴重な手がかりが新たに守られることになります。

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