今年も泉ヶ岳で開催された「悠・遊フェスティバル」に行ってきました。朝からよく晴れて、空はどこまでも青く澄みわたり、秋のおでかけには最高の天気。
イベントを楽しもうと訪れる人が多く、大駐車場には入りきれず軽い渋滞が起きるほどの盛況ぶりでした。車を降りた瞬間から聞こえてくる音楽やにぎわいの声に、「今日は一日楽しめそうだ」と自然と気持ちが高まります。

ステージイベントとにぎわう会場
会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは大きなステージ。地元団体によるダンスや音楽のパフォーマンスが次々と披露されていて、子どもから大人まで大きな拍手で盛り上がっていました。お昼時とあって、ちょうど食事を手にした人たちが観客席や芝生に腰を下ろして、演奏を聴きながらにぎやかに語り合う姿も印象的。普段は静かな山のふもとが、一日限りのフェス会場に変わったかのような雰囲気で、歩いているだけでも自然と足取りが軽くなるほどでした。
名物「根白石商店会の芋煮」
そして、泉ヶ岳の秋のイベントで欠かせないのが芋煮です。根白石商店会がふるまう芋煮は、すっかりフェスティバルの名物といえる存在。今年も大きな鍋でぐつぐつと煮込まれていて、漂ってくる香りに引き寄せられるように列ができていました。


器によそわれた芋煮は、仙台味噌仕立ての素朴な味わいで、里芋のほくほく感とねぎの香りが絶妙。きのこや野菜がごろごろ入っていて、ひと口食べると体の芯から温まりました。外で食べるあたたかい汁物は格別で、山の空気と一緒に味わうことでおいしさもひとしお。地元の人たちの手で作られる味だからこそ、イベントの雰囲気をより濃く感じられます。
ふれあい館周辺を散策
食後は腹ごなしも兼ねて、会場をぶらぶらと歩きました。

オーエンス泉岳自然ふれあい館の周辺には、テントや体験コーナーが並び、散策するだけでも目を楽しませてくれます。

せっかくなので、古民家・旧熊谷家住宅の中に入って昔の暮らしを垣間見てきました。土間のひんやりとした空気や、木の香りの残る梁を見上げていると、普段の生活では触れられない時間の流れを感じられます。

にぎやかなフェス会場から少し離れるだけで、こうした落ち着いた体験ができるのも、このイベントの面白さだと感じました。
リフトで山頂へ
その後は、泉ヶ岳スキー場のリフトに乗って山頂を目指しました。
悠・遊フェスティバルでは例年無料でリフトが運行するということもあり、大人気コンテンツになっています。

列に並んでいるときから胸が高鳴ります。
椅子に腰掛けてゆっくりと上がっていくと、眼下にはすすきの穂が風に揺れ、森の中からは鳥のさえずりも聞こえてきました。

秋の空気は澄んでいて、遠くの街並みや山々まで見渡せる景色に「これが泉ヶ岳の秋なんだ」と改めて感じられます。登山をしなくても、数分でこの高さからの景色を味わえるのはリフトならではの魅力でした。
山頂での体験
山頂に着くと、そこには想像以上の大パノラマが待っていました。

眼下には一面の森と田園が広がり、その先には仙台の街並み、さらに太平洋まで見渡せるほど。空気が澄んでいたこともあり、遠くの景色までくっきりと見えて、「ここまで来てよかった」と思える瞬間でした。広場には「好転の鐘」が設置されていて、訪れた人が次々と鳴らしていました。

私も願いを込めてひと打ち。澄んだ音色が青空に響き渡ると、気持ちまで前向きになれるようでした。
さらに、子どもたちに人気だったのがブランコ。絶景を背景に思い切りこぐブランコは、まさにここでしか味わえない遊び方で、順番を待つ子どもたちの姿も微笑ましかったです。

下りのリフトと余韻
名残惜しさを感じながら、再びリフトに乗って下山しました。登りとはまた違う角度で広がる景色を眺めながらゆっくりと降りていく時間は、まるで余韻を味わうかのよう。

足元に広がるすすき野原や、遠くに広がる平野の景色を眺めていると、あっという間にふもとへ戻ってきましたが、心にはしっかりと景色が焼き付いていました。
まとめ
大駐車場が満車になるほど多くの人でにぎわった「悠・遊フェスティバル」。ステージイベントの熱気と、根白石商店会の芋煮のあたたかさ、古民家での静かなひととき、そしてリフトからの大パノラマまで、一日を通して泉ヶ岳の魅力を存分に感じることができました。にぎわいと自然、どちらも味わえるこのイベントは、秋のお出かけにぴったり。来年もまた訪れたくなる、そんな一日となりました。