【共鳴】想定を大きく超える約1,000人が来場。第1回IZUMI!コメフェス初開催を振り返る

話題

はじめに

第3回では、地域のお米を使ったオリジナルビール「IZUMIGATAKE YEEL」が誕生するまでをご紹介しました。

そして2022年10月22日、いよいよ第1回「IZUMI!コメフェス」の開催日を迎えます。

地域のお米をきっかけに始まった取り組みは、この日、初めて一つのイベントとして形になりました。

今回は、第1回IZUMI!コメフェスの開催前の準備から当日の様子までを、時さんに振り返っていただきます。


開催前で最も印象に残っていること

開催前で印象に残っていることを伺うと、時さんが挙げたのは、イベント当日ではなく、それまで積み重ねてきた準備の日々でした。

前回もお話ししたとおり、一番印象に残っているのは前日までの準備です。

みんなで会場の白線を引いたこと、お米を一生懸命洗ったこと、そして会場入口に設置するコメフェスの看板を夜遅くまで作ったことは、今でもよく覚えています。看板作りは市民センターが閉まる夜9時まで続き、その日だけでは終わらず、翌朝も手直しをして完成させました。メンバーの娘さんや市民センターの職員さんにもお手伝いいただきながら、みんなで力を合わせて作ったことが印象に残っています。

準備期間の中でも特に大変だったのが、出店者さんへ配布する米粉づくりでした。地元のお米の米粉を使っていただきたいという思いから、農業園芸センターへお米を持ち込み、米粉製粉機で製粉しました。

30kgのお米を5〜6回に分けて機械へ投入し、製粉だけで約7時間。その間は機械からほとんど離れることができませんでしたが、メンバーとコメフェスについて細かな部分まで話し合うことができ、とても有意義な時間でもありました。製粉後は市民センターで出店者さんごとに小分けにし、後日お渡ししました。

また、もみ釜でご飯を炊くことも初めての挑戦でした。見松寺さんで釜をお借りし、地元農家さんから使い方を教えていただきながら試行錯誤を重ねました。境内で炊きたてのご飯をみんなで食べたことを、昨日のことのように覚えています。

第1回コメフェスでは、「できるだけゴミを出さないイベントにしたい」という思いから、竹の器や竹のお箸を使うことにしました。

もともとは、放置された竹林を何とか活用できないかという話がきっかけでした。市民センターの講習会で竹の器や箸づくりを行い、その取り組みをコメフェスにもつなげました。

竹の伐採から器や箸づくりまで、すべて自分たちで行いました。大量の竹の器を煮沸するための寸胴鍋を探したり、竹を伐採する場所を調整したりと、一つひとつ課題を解決しながら準備を進めました。伐採当日は雨で足元も悪く、切った竹は見松寺さんの会館玄関に置かせていただくなど、多くの方に支えていただきました。

さらに、ご飯を盛り付ける器にはプラスチック容器ではなく経木を使えないかと考え、知り合いの材木屋さんを通じて塩竈市の会社をご紹介いただき、取り寄せて使用することができました。

スタッフジャンパーもこの時に初めて作りました。当初予定していた商品は廃盤になっていましたが、お店の方が代わりの商品を探してくださり、イベント当日までに間に合わせることができました。本当にありがたかったことを今でも覚えています。


開場前から始まっていた想定外

迎えた開催当日。朝早くから準備を進める中、会場にはすでに来場者の姿がありました。

当日は朝早くからメンバーが集まり、会場の看板や駐車場案内の看板を設置し、その後、当日集まってくださったボランティアスタッフの皆さんへ運営の説明を行いました。

その時点で、すでに来場者の方々が会場の外に並んでいました。まだ朝8時頃です。開場時間が近づくにつれ、列はどんどん長くなり、大行列になっていました。

当時はコロナ禍で、多くのイベントが中止になっていた時期でした。地域の娯楽も少ない中、多くの方に足を運んでいただけたことは本当にありがたかったです。一方で、私たちの予想をはるかに超える来場者数となり、開始前から対応に追われていました。


想定を大きく上回る来場者

開場前から続いていた行列は、イベント開始後も途切れることがありませんでした。

当初想定していた来場者数を大きく上回り、その場で対応を考えながら運営を続ける場面も多かったそうです。

イベントが始まると、来場者の皆さんは真っ先に無料のお米のつかみ取りへ向かわれました。当初は60kgのお米を用意していましたが、あまりにも多くの方に参加していただいたため、途中から2ブースに増設しました。それでもお米が足りなくなり、急きょ参加していた農家さんからお米を購入させていただき、最終的には6袋、計約180kgのお米をつかみ取りに使用しました。

それでも列は途切れず、並んでくださっている方もたくさんいらっしゃいましたが、在庫がなくなってしまったため、状況をきちんとアナウンスしたうえで、お昼前には終了せざるを得ませんでした。

出店者さんにも事前に来場者数の予測をお伝えしていましたが、それを大きく上回る来場となったため、多くのお店で商品が午前中には完売となっていました。

来場者数は当初400人を想定していました。当時はコロナ禍ということもあり、検温と手指消毒が必須でしたが、屋外会場だったため、消毒や検温を済ませた方を見分ける方法が課題でした。

そこで、受付で検温と消毒を済ませた方へリストバンドをお渡しし、それを目印にしました。さらに50人ごとに色を変えることで、おおよその入場者数が分かるよう工夫していました。

400人を想定し、来場者用に加えて出店者やスタッフ、予備も含めて600本以上のリストバンドを準備していました。しかし、開催してみると午前中にはすべてなくなってしまいました。その後は、来場された方全員にその都度検温と消毒をお願いし、会場内でも消毒のご協力を呼びかけながら運営を続けました。

結果として、来場者数は約1,000人となりました。大変うれしい結果ではありましたが、同時に来年へ向けた大きな課題にもなりました。

炊きたてご飯のお振る舞いも、もみ釜だけでなくガス釜も使い、30分ごとに炊き上がるよう工夫しました。正直なところ、事前の予想では十分足りると思っていましたが、午前中の行列を見て「結構ギリギリだったな」と感じました。

一方で午後になると、出店者さんの商品がほとんど完売したこともあり、お客様の流れが落ち着き、炊き立てのご飯が少し余りました。そのご飯はボランティアスタッフも含め、みんなで持ち帰っておいしくいただきました。

炊きたての新米には、地元農家さんのお味噌を添えて提供しました。採れたばかりの新米のおいしさもあり、多くの方から「本当においしい」という声をいただき、とても好評でした。こちらも常に長蛇の列ができ、炊いても炊いても列が途切れないほど、多くの方に喜んでいただきました。

また、お米ビールもこの年が初めての販売でした。当時はお米のビール自体が珍しく、「根白石でオリジナルビールを作っているんだ」と興味を持って購入される方がたくさんいらっしゃいました。

イベント終了後には、「家で飲んだけど、とてもおいしかった」という感想を多くいただき、それがきっかけとなって、「来年以降も続けて作ろう」という話につながりました。


一番印象に残っているのは「支えてくれた人たち」

第1回コメフェスを振り返ると、時さんは当日の出来事だけでなく、一緒にイベントをつくり上げた人たちの存在が今も強く印象に残っていると話します。

イベント終了後に、みんなで撮影した記念写真は今でも私の宝物です。そして、その写真撮影が第2回以降のコメフェスでも恒例となり、毎年みんなで写真を撮ることが大切な思い出になっています。

印象に残っている場面は、本当にたくさんあります。

開催前から長蛇の列ができていたこと、お米のつかみ取りに多くの方が並んでくださったこと、炊きたてご飯のお振る舞いが大変好評だったこと、出店者さんが用意した商品が午前中でほぼ完売したこと、餅つき体験では子どもたちの列が途切れなかったこと、そしてトイレにアロマ屋さん(アロマリズムさん)のアロマオイルを置いたところ、「いい香りですね」と多くの方に喜んでいただけたことなど、どれも印象に残っています。

また、事前準備からイベント当日、そして翌日の片付けまで、本当に多くの時間をメンバーと一緒に過ごしました。初めてのことばかりで、みんなへとへとになりながら取り組んでいましたが、それも今では大切な思い出です。

その中でも、一番印象に残っているのは、一緒に動いてくださったボランティアスタッフの皆さんの存在です。

初めて開催するイベントだったこともあり、私たちもできる限り準備をして当日を迎えましたが、不手際も多く、ボランティアの皆さんにはご苦労をお掛けしたと思います。それでも皆さんは、地域のため、そして来場してくださった方々のために、本当に一生懸命動いてくださいました。

その場その場でアイデアを出し合い、臨機応変に対応していただいたおかげで、無事にイベントを終えることができました。私たちだけでは決して開催できなかったイベントだったと思っています。ボランティアスタッフの皆さんをはじめ、これまで支えてくださった地域の皆さんや関係者の方々に、本当に支えられて開催・終了までたどり着くことができました。

当日はスタッフジャンパーも作成していましたが、想像以上に多くのボランティアスタッフの皆さんに参加していただいたため、ジャンパーはボランティアスタッフの皆さんを優先し、メンバーの中には裏方として私服で動いた者もいました。それでも誰一人不満を言うことなく、「イベントを成功させよう」という思いで動いていたことを今でもよく覚えています。

「自分たちにもできた」という自信

初開催は、想定を上回る来場者への対応に追われる一日となりました。
その一方で、時さんたちにとっては「やってよかった」という達成感だけでなく、これから先の活動につながる大きな自信を得た一日でもありました。

第1回コメフェスを終えて一番感じたのは、「自分たちにもできた」という自信でした。

初めての開催ということもあり、準備を進める中では「本当に開催できるのだろうか」「地域の皆さんに受け入れてもらえるだろうか」という不安もありました。

ですが、当日は想像を超える多くの方にご来場いただき、「楽しかったよ」「また来年も開催してほしい」という声をたくさん掛けていただきました。その言葉が本当にうれしく、「また頑張ろう」という気持ちになりました。

一方で、課題もたくさん見つかりました。

来場者数の想定、駐車場の誘導、出店者さんの商品数、炊き出しの量、会場内の動線など、「もっとこうすれば良かった」と思うことは数え切れません。

それでも、初開催だったからこそ見えた課題でもあります。この経験があったからこそ、第2回、第3回と少しずつ改善を重ねながら続けていくことができました。

私たちだけで開催できたイベントではありません。地域の皆さん、出店者の皆さん、農家の皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、市民センターの皆さんなど、本当に多くの方々に支えていただいたからこそ実現できたイベントでした。

今振り返っても、第1回コメフェスは私にとって忘れることのできない一日です。


おわりに

第1回IZUMI!コメフェスは、多くの人に支えられながら幕を閉じました。しかし、KAMURI Community Projectの活動は、イベントの日だけではありません。日々の対話や地域との関わりの積み重ねが、その後の活動の土台となっていきます。

次回は、イベントの舞台裏にある日常の活動に目を向けながら、地域との信頼がどのように育まれていったのかをご紹介します。

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