2026年9月25日、中秋の名月の夜。仙台市泉区根白石の満興寺で「観月会」が開催されました。
満興寺では例年この時期に観月会が開かれています。
境内や庭園がライトアップされ、本堂では生演奏。お寺で月を眺めながら音楽を楽しむ、根白石の秋の催しです。
中秋の名月の夜、満興寺に灯りがともりました
今年の観月会が開かれた9月25日は、中秋の名月の日でした。
日が暮れた満興寺では庭園がライトアップされ、本堂の廊下には竹灯りが並びました。

竹には月や草花を思わせる模様が施され、廊下のガラス越しには明かりに照らされた庭が見えます。

会場を彩った竹灯籠の中には、満興寺に伝わる「七不思議」をモチーフにしたものもありました。
昼間に訪れる満興寺とは、また違った景色です。
本堂の中にも秋らしいしつらえがあり、庭園や竹灯りも含めて、観月会のための空間がつくられていました。

満興寺で「月を眺める」ことにも理由があります
満興寺で観月会が開かれているのには、このお寺ならではの理由があります。
満興寺 副住職さんより
満興寺の山号は「太桂山(たいけいざん)」といい、境内には大きな桂の木があります。この桂の木は、満興寺に伝わる「七不思議」の一つにも数えられています。
実は「月」と「桂」には古くから深い縁があります。古代中国には、月には桂の木が生えているという伝説があり、桂は月を象徴する木の一つとして語り継がれてきました。
満興寺の大きな桂の木を眺めながら月を愛でる。そんな時間は、「太桂山」という満興寺の名にもよく似合うのではないかと考えました。
もう一つ、この観月会には満興寺と伊達政宗公との歴史も関わっています。
満興寺には、かつて伊達政宗公が宿泊したという記録が残されており、そのことは古文書『太桂山記録』にも記されています。
もちろん、その夜が中秋の名月だったかどうかは分かりません。ただ、数百年前に政宗公もこの場所で夜空を眺め、境内の桂の木を目にしたのかもしれません。
そんな歴史に思いを巡らせながら、現代の私たちも同じ場所で月を眺め、音楽に耳を傾ける。過去と現在を静かにつなぐような時間をつくることができれば、という思いから観月会を開催しています。
「太桂山」という山号、境内の桂の木、そして満興寺に残る歴史。
観月会は、そうしたこの場所ならではの背景から生まれた催しでもあります。
本堂ではチェロとギターの生演奏
2026年の観月会に出演したのは、チェロの長谷川弘樹さんと、ギターの小関佳宏さんです。
「トロイメライ」や「ワインレッドの心」など、チェロとギターによる演奏が行われました。

本堂には多くの人が集まり、演奏の合間には二人のトークも交えながらプログラムが進みました。

演奏する二人の向こうには、夜の庭や山門が見えます。
コンサートホールとは違い、お寺の建物や庭も一緒に感じながら音楽を聴けるのが、満興寺の観月会ならではのところです。
音楽を変えながら続いてきた満興寺の観月会
満興寺の観月会は、今年が初めてではありません。
これまでの開催では、2023年に篠笛と鍵盤楽器、2024年に二胡、2025年にはハープとフルートの演奏が行われました。
そして2026年は、チェロとギター。
中秋の名月を楽しむという軸は変わらず、その年ごとに異なる音楽との組み合わせを楽しめる催しになっています。
観月会は檀家に限らず、誰でも参加することができます。
ただし参加できる人数には限りがあり、大々的なインターネット告知などは行わず、主に境内の掲示を通して案内されています。
2026年は150人限定で開催されました。
次回参加してみたい方は、開催時期が近づいたころに満興寺の掲示板をチェックしてみてください。
泉西部には、こんな秋の夜もあります
中秋の名月、お寺の庭、竹灯り、そして生演奏。

満興寺の歴史や境内の桂の木ともつながる観月会は、ただ音楽を聴くだけではなく、この場所だからこそ楽しめる秋の催しです。
泉西部には、昼間のお出かけだけではなく、季節に合わせてこんな時間を過ごせる場所もあります。
2026年の観月会は終了しましたが、また次の秋にはどんな音楽と月を楽しめるのか、楽しみにしたいですね。


