IZUMIコメフェス オリジナルビールができるまでの物語

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今回は、2022年10月22日に開催されたIZUMIコメフェスで初お披露目となったコメビール「IZUMIGATAKE YEEL」ができるまでの経緯などについて、KAMURIコミュニティプロジェクトの佐藤 友佳さんにお話をうかがいました。

今回、オリジナルビールを作ろうと思ったのはどうしてですか?

 令和3年秋、根白石にある満興寺さんで他イベントの打ち合わせ後、雑談中にこの地区のお米を使ったイベントをやったら、新旧住民の交流になるし、この地区の美味しいお米を知ってもらえて良いんじゃない?という話になりました。

 そこで、私が以前飲んだ仙南クラフトさんのササニシキIPAが美味しかったので、この地区のお米を使ったビールを飲みたい(作りたい)とコミュニティプロジェクトのメンバーに打診して、メンバーが快諾してくれたので、コメフェスに合わせてオリジナルビールを作ることになりました。

オリジナルビールが出来るまでの経緯を教えてください

 令和3年の冬、東北のクラフトビールに詳しい友人がいるので、その友人に、翌年開催予定のコメフェスで根白石地区のお米を使ったビールを作りたい旨を相談しました。その友人から市内の醸造家の方を紹介してもらいましたが、諸事情によりそこで委託醸造が出来ないので、その方にISHINOMAKI HOP WORKSの岡醸造長を紹介してもらいました。

 令和4年5月にコミュニティプロジェクト代表の時と一緒にISHINOMAKI HOP WORKSさんにご挨拶に伺いました。

 同年夏に醸造所を開設するにあたり、岡醸造長もお忙しいところでしたが、根白石地区のお米を使ったビールを作りたい旨をご相談させていただいたところ、委託醸造を快諾して頂けました。

 そのままスムーズに話が進み、その日のうちにビールのスタイルをどうするか話し合い、*IPA(アイ・ピー・エー)を作ることが決定しました。

 そして8月末に泉区朴沢にある熊谷農園さんで作られたひとめぼれ(約30kg)を持参し、9月末に私を含めたコミュニティプロジェクトのメンバーで仕込み作業に参加させて頂きました。

*IPAとは・・・INDIA PALE ALE(インディアペールエール)の略。18世紀イギリスの植民地だったインドにビールを船で運ぶ際、腐敗しないように、防腐効果のあるホップを大量に入れたのが始まり。

 

 仕込み作業はどんなことをしましたか?

  仕込み作業のお手伝いとして私たちはホップ3種類の計量作業をさせて頂きました。乾燥タイプのホップを使用しましたが、袋を開けた時に感じる、とても華やかでフルーティーな香り。

 3種類とも違うタイプの香りでそれを組み合わせてビール作ることで、より華やかな香りと苦みを感じるビールになるそうです。

 そして使用するお米は環境栽培米として、熊谷農園さんが極力農薬を使わずに育てているひとめぼれ。こちらは精米したもの(約28kg)を細かく砕き、大麦と一緒に機械に投入しました。

             

 ISHINOMAKI HOP WORKSはどんな醸造所ですか

 宮城県石巻市の「イシノマキ・ファーム」が運営する「ISHINOMAKI HOPWORKS」イシノマキ・ファームがホップ栽培をスタートしたのは2017年。石巻市の北部、海と川と山に囲まれた北上町で、震災後の耕作放棄地を耕すところからはじまりまったそうです。

 病気や風に負けたり、夏にようやく収穫出来ても加工に苦戦したり、様々な課題を乗り越えて「巻風エール」が出来上がったそうです。

 そして、現在も地域内外のみなさんと大切に育てたホップを使用したビール(巻風シリーズ)やホップソルト等の製造販売をされています。

 ISHINOMAKI HOP WORKS(@ishinomakihop) • Instagram写真と動画

オリジナルビールのネーミングに込めた想いは

 今回オリジナルビールを作るにあたり、ビール(ラベル)をみて根白石地区・泉ヶ岳を思い出してもらえる名前にしたいと思い「IZUMIGATAKE YEEL」という名前にしました。

 麦酒は醸造方法により大きくエール(ALE)とラガー(LAGER)に分けられます。今回作ったオリジナルビールはエールビールになるので、YEELとALEをかけてみました。

 また、励ましや応援するを意味するYEELですが、自分たちを鼓舞する意味でもYEELを使いたく、今回のネーミングにしました。結果として、多くの方に「IZUMIGATAKE YEEL」・「泉ヶ岳」という名前を覚えて頂けたと思います。

ビールラベルデザインはどうしたのですか?

 今回、オリジナルビールのラベルをデザインしてくださったのは、根白石出身のデザイナー京増美和子さんです。私の先輩でもある京増さん。学生時代からとても絵が上手な方でした。

 コミュニティプロジェクトの代表と一緒に、この地区のお米を使ったオリジナルビールを作る事をお伝えし、是非京増さんにラベルデザインをお願いしたい旨をお話しさせて頂いたところ、その想いに共感して下さり、このような素敵なラベルを作って頂くことが出来ました。

イベント当日の状況はどうでしたか?

 コメフェス当日は会場でウィステリアデンさんが販売して下さいました。また同日から根白石にある高長商店さん、日之出酒造さん等でオリジナルビールの販売が始まりました。

 私たちにとっても初めてのイベント開催で、オリジナルビールの需要が分からず、正直売れるかな?と思っていましたが、その心配は無用でした。

 有難い事にデンさんが用意したオリジナルビール(約90本)はお昼前に完売。高長商店さん、日之出酒造さんも販売開始から数日で完売したそうです。

オリジナルビールを飲んでみての感想を教えてください

 委託醸造をお願いするところから、ビールの仕込み、販売店さんとのやり取り等、今まで経験したことのない経験を沢山させてもらいました。その過程もあったので、ビールを一口飲んだ時は美味しい!と同時にビールが無事に出来て良かったぁという安心感が強くありました。

 仕込み作業時からホップの華やかな香りに満足していましたが、実際完成したビールを飲んでみてビックリ。よりフルーティーで華やかな香りと味わいのビールになっていて、「さすが!岡醸造長!」と感動しました。

アルコール度数は6%とやや高めですが、それを感じさせない、のど越しの良い美味しいビールになりました。

今後もオリジナルビールの販売はありますか?

 私個人としては通年を通してお米ビールを飲みたい!(笑)と思いますが、私一人の思いだけではオリジナルビールを作ることは出来ません。ただ、今回このオリジナルビールがとても好評だったので、また今年のコメフェスに向けて、動きがあるかもしれません。

 オリジナルビールも含め、コメフェスに関する情報はKAMURIコミュニティプロジェクトのInstagramにアップしていきます。気になる方は是非、そちらをご覧ください。

 KAMURIコミュニティプロジェクト(@kamuri.community.project) • Instagram写真と動画

 


佐藤さん、ありがとうございました。ぜひ今年もオリジナルビールの販売を楽しみにしています!

    

    

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